せっかくバッグを購入したのなら、役立つ機能や美しい見た目を長く保つためにも日々のケアが大切だ。水や汚れによってダメージを受けやすいレザー製品の場合、そうしたお手入れを意識する人は多いが、Incaseで展開しているような化繊の製品においても適切なケアは重要になる。今回は、化繊バッグのお手入れ方法について解説する。
日頃から気にかけたいバッグのケア
大切なのは、日常的にケアする意識だ。雨に濡れたり、飲み物をこぼしたりした場合は相応の対処が必要になるが、そうしたアクシデントが発生しなかったときでも、日々のケアは必要だ。そうすることによって細かな汚れの蓄積を防ぎ、美しい見た目を維持できる。
ブラッシングで日常的にホコリや汚れをオフ
大前提として実施したいのが、ブラッシングによるデイリーケアだ。
ウエアやシューズに使われる、柔らかなプラスチックや馬毛、豚毛などを採用したブラシを用意し、バッグの表地全体をブラッシング。生地の表面に付着していたホコリや織り目の奥に入り込んだ汚れをしっかりかき出し、汚れの堆積やニオイの発生を防ぐことができる。
ほんの1分だけでも効果的なので、「帰宅したら部屋に入る前に玄関でブラッシングする」というように習慣化できるといい。
コーティングされている部分は強くブラッシングするとダメージを受けてしまう可能性があるため、乾いたタオルで汚れを拭き取るようにしよう。
ペーパークリーナーで週に1度の重点ケアもしておきたい
ブラシやタオルによるデイリーケアに加え、週に1度くらいの割合で実施できるといいのがペーパークリーナーによるケアだ。
主にスニーカー用として販売されているペーパークリーナーは汚れやニオイを除去するのに効果的な成分を含みながら、後で水拭きする必要もなく、扱いが簡単。一度生地を拭き上げるだけで、普段のブラッシングでは取り切れなかった汚れを落とすことができる。
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ひどい汚れは専用クリーニンググッズを活用
いつの間にか頑固な汚れが付着してしまったり、食べ物をこぼしてしまったりしたときは、専用のクリーニンググッズを使おう。この場合も、スニーカー用に発売されているグッズを活用できる。
まず、汚れが気になる場所にクリーナーをプッシュ。均一に噴霧するように扱う。
次に用意したブラシの先端に、水を少々付着させる。
クリーナーを吹きかけた場所をブラッシングしていくと泡が発生。それとともにバッグに付着した汚れも浮き上がる仕組みだ。
なお、水が多すぎると泡立ちが悪くなってしまう。ブラシに付ける水は少量からはじめ、泡立ち具合を確認しながら、必要に応じて水の量を足していくのがいい。
十分にブラッシングしたあとは、乾いたタイルで泡を除去すればOK。これによって強固な汚れも落ちるはずだ。
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撥水スプレーで汚れの付着を予防できる
美観を保つ方法としては、撥水スプレーを使う手も有効だ。繊維表面をコーティングするため、雨の日に水を弾くだけでなく、日常的に汚れやホコリの付着を防ぐ効果も期待できる。
利用する際は、ブラッシングで汚れを落としてからムラなく吹きかけ、しっかり乾燥させよう。
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雨に濡れたときは吸湿を徹底
雨に降られた日は、そのままにするのではなく吸湿を徹底したい。撥水性を持つ生地であっても、雨水が長時間生地に留まっていればやがて奥のほうへと浸透し、生地や芯地が傷んだり型崩れを招いたりする恐れがある。
乾いたタオルを使い、バッグに付着した水分をタオルに移すように動かそう。
激しく濡れてしまったときは、バッグ内部に吸湿性のある紙を丸めて入れておくのも有効だ。型崩れを予防するとともに紙が水分を吸い取ってくれる。ただし、紙を長期間入れっぱなしにするとカビが発生してしまう危険があるため、バッグが乾いたらすぐに紙を取り出すようにしたい
ジップもケアして滑りのいい状態に
メインコンパートメントやポケットの開閉に用いるジップもしっかりケアすれば、快適な操作感を維持できる。
ジップの場合も、ブラッシングによるケアが基本だ。エレメントと呼ばれるジップの歯の間に汚れが溜まりやすいので、歯ブラシをするように汚れをかき出していく。
ブラッシングをしてもジップの滑りがよくならないときは、ジップ専用の潤滑剤を用いよう。配合された鉱物油やシリコンによって滑りがよくなり、スムーズに動かせるようになるはずだ。
なおスプレータイプの場合、大量に噴霧するとシミになる場合があるため用量に気をつけるとともに、ジップ以外にかからないよう留意しよう。
保管方法にも気を配る
自宅で保管しているときも、ちょっと気を配るだけでバッグをより長く延命させることができる。
形を整え風通しのいい場所に置いておく
化繊バッグの天敵は湿気によるカビの発生や、紫外線による素材の劣化だ。こうした悪影響を避けるため、普段から日が当たらず風通しのいい場所に保管するようにしよう。また、たとえば偏った吊り方をしていると形にクセがついてしまうため、自然な状態で置くように心掛けたい。
長期に保管するときはちょっとした工夫を
長期間保管しておくときは、さらに特別な対処をしておこう。カビの発生を抑制するため、バッグ内部に乾燥剤を入れておきたい。なお、ジェルタイプは保存しているうちに漏れてしまう危険性があるため、シリカゲルなど固形タイプを選ぶほうがいい。
また、ホコリの堆積や隣に置いた製品からの色移りを防ぐため、不織布でカバーするのが理想的だ。
バッグのケア方法を学んで快適に使いたい
バッグを手に入れたのなら、購入したときの状態をなるべく長く維持したいもの。それには、ここで解説したケア方法を理解した上での実践が重要だ。十分なケアを施して、大切にバッグを使っていきたい。