“A better experience through good design(グッドデザインを通じてより良い経験を)”を信念に、ユーザーにとって最高の「キャリングソリューション」であり続けることを目標としているIncase。この想いを叶えるべく、これまで「ICON」「CITY」といった個性的なシリーズを数多くリリースしてきた。中でも今、大きな注目を集めているのが2021年に登場した「A.R.C.」シリーズだ。Incase最新シリーズが目指したスタイルやこだわりのポイントを解説していく。
時代のニーズをとらえるために開発されたA.R.C. シリーズ
2021 年に誕生したIncase 最新シリーズ
バッグはウエアと同じくらい、多くの人にとって必需品だ。それゆえユーザーがバッグに求める要素も様々であり、自らのステイタスのアピールやトレンドの表現といった役割を期待されることもある。
そうした中、Incaseは「荷物を持ち運ぶためのツール」というバッグの本質を徹底追求。その結果として毎シーズン新作をリリースして世間の流行を追うことはせず、期限を定めず納得のゆくまで製品開発を行う道を選択。目新しさだけで購買を促すようなマーケティング手法とは決別し、本当に価値のあるものだけを提供するよう努めてきた。
そして2021年、満を持して登場したのが「A.R.C.」シリーズだ。その名は、「A Responsible Carry(責任を持って運ぶ)」の頭文字を冠したもの。あらゆる季節・天候・シーンで使えるタフネスさやユーティリティ性、現代のツールをスマートに収納できるオーガナイズ性能、現代的な装いにフィットするデザインと、Incaseが目指す「ユーザーにとって最高のキャリングソリューション」としての現在における最高到達地点がここにある。
仕事もプライベートもカバーする4つのラインナップ
現在A.R.C.シリーズがラインナップしているのは、全4型。
見慣れぬ土地を踏破しようというトラベラー向けの「A.R.C. Travel Pack」は、数日を過ごすための荷物を収納できるとともに、快適な背負い心地も提供する。ビジネスパーソン向けとしては、多彩なビジネスツールを機能的に収納できる「A.R.C. Commuter Pack」を用意。シリーズの魅力を凝縮しながらシンプルに仕上げた「A.R.C. Daypack」は、オンオフを問わず幅広いシーンで活用できる。さらには手持ちと肩掛けの2WAYで利用できる「A.R.C. Tech Tote」も展開し、少ない荷物でスマートに行動したいユーザーの希望にも対応。
これらのアイテムで、ユーザーのニーズを幅広くカバーしている。
発売以来売り上げTOPを記録
A.R.C.シリーズの反響は、すぐに現れた。特段変わったプロモーションを実施したわけでも、何かしらのホットトピックスが発生したわけでもなかったのに、発売から間もなく驚異的な売り上げを記録。特に汎用性の高さから多くのユーザーの関心を得た「A.R.C. Daypack」は発売後すぐに品薄になってしまったほどで、公式ONLINE STOREで掲載しているランキングでも長らくNo.1の座に君臨している(上画像は2022年7月のもの)。
これほど大きな反響は、過去に類を見なかったほどだ。Incaseに対する期待値の高さと、SNSを通じて魅力が爆発的に広まったことが理由だと思われる。
A.R.C.シリーズが愛される4つの魅力
なぜ、これほどA.R.C.シリーズが高い評価を獲得したのか。その魅力について、4つのポイントに分解して解説する。
ツールがまとまるオーガナイザー
A.R.C.シリーズが目指すところを端的に象徴したディテールが、フロントポケット内に搭載させたオーガナイザーだ。
Incaseのアイデンティティといえるのが、デジタルデバイスを適切に持ち運ぶためのツールであること。Appleの公式パートナーブランドとして専用のバッグを開発し、Macを外に持ち出すスタイルをいち早く確立したという立脚点を振り返っても、その理念がわかる。
ノートPCやタブレットの登場は一部アナログツールを省略させる効果を生み出したものの、近年はニーズの多角化に伴ってデジタルツールの数も増えている。このことから、A.R.C.シリーズではツールを適材適所に整理できるオーガナイザーの重要性を再認識し、最もアクセスしやすいフロントポケット内に設置させている。
最上部にジップポケットを設置。万が一の転落も予防することで、カギやカードなどの貴重品を安心して収納できる。さらにはスキミングを防止できる芯材が使われており、RFIDを利用できるクレジットカードやICカードが不正にスキャンされてしまうトラブルも回避できる。
そのすぐ下にも、ポケットを用意。横に広いオープンタイプで、長財布やチケット、メモ帳などを入れておくのに便利だ。
左側下部には、ゴム製の間口を用いたメッシュポケットを搭載。カードケースやモバイルバッテリー、マウスなどを入れておける。またメッシュ生地なので中身を確認しやすく、USBメモリやアトマイザーなどの小物も確認しやすい。
さらに右側下部には3つのゴム製ストラップを装備。ACタップやケーブル、イヤホンなどを機能的に収納しておける。
なお、このオーガナイザーは「A.R.C. Daypack」「A.R.C. Commuter Pack」「A.R.C. Travel Pack」の3モデルに搭載されている。スマートさが売りの「A.R.C. Tech Tote」には設けられていないが、その代わり、ストレッチ性メッシュを使用したドリンクホルダーとスキミング防止用のセキュリティポケットをメイン収納内に備えている。
優れたデジタルデバイス収納
当然デジタルデバイスそのものの収納機能も備えている。
4モデルすべてに、ノートPCを収納させるための専用スペースを設置。クッション性のある芯材によって外部からの衝撃を和らげ、安全性を高めている。さらには全面にフカフカとした起毛裏地を使うことで、擦ってデバイス表面に小キズが付いてしまうリスクを低減させている。
中でもビジネスユースを想定した「A.R.C. Daypack」と「A.R.C. Commuter Pack」は、ノートPCとタブレットをそれぞれで収納できるスペースを用意。シーンに応じて両者を使い分けたり、タブレットをサブディスプレイとして使っているようなユーザーの期待に応えている。
様々なシーンに対応する多目的性
コロナ禍に起因するニューノーマル時代の到来もあって働き方はますます多様化し、プライベートの楽しみ方も大きく様変わりしてきた。こうした行動様式の変化をIncaseは注意深く観測し、素材の選定や各種仕様にこれまで培ってきたノウハウを注ぎ込むことで、現在のバッグに求められている多目的性を実現させた。
バックパック3モデルにおいては、ショルダーハーネスとバックパネルに通気性が良く優れたクッション性を備えるOrtholite素材を採用。長時間背負っても負担感を感じにくく、利用時に生まれるストレスを大きく軽減させている。
また、バックパネル下部はキャリーバー取り付けストラップになっていて、面倒な手間なくトローリーケースにセットアップできる。旅行や出張で重宝するはずだ。
サイドパネルにはジップ付きポケットを装備し、折りたたみ傘やドリンクボトルにアクセスしやすいようにした。予想外の雨に降られても困らないよう、折りたたみ傘を持ち歩く人は多い。また、健康意識の高まりや使い捨てペットボトルを避けようというサステナブルな考えからドリンクボトルを携行するユーザーも増えており、こうしたニーズに応えている。
さらには全モデルに、水や汚れに強い撥水コーディングを施した生地を採用。一部の生地にはコーティングを施し、止水ジップも選択することで少し雨に降られたくらいでは物ともしない。
また、バッグにふさわしい耐久性を有しながら、素材のほとんどにリサイクル繊維を活用。「つくる責任」を問うSDGsに沿ったサステナブルな取り組みの一環で、今の時代を生きるメーカーとしてふさわしい立場を表明している。
洗練されたデザイン
歴代のモデルでも表現されてきたように、機能美を追求するミニマリズム的デザイン哲学はA.R.C.シリーズでも健在だ。
ここまで解説してきたように、A.R.C.シリーズでは今の時代に望まれる多様性に応えるべく、複数の機能を取り込んだ。「荷物を運ぶ袋状の道具」というベースに様々なエッセンスを“加えた”形だが、完成された各モデルの外見は実にシンプルだ。書類など無駄なスペースを設けずに収納できるスクエアなシルエット、質感の違いをアクセントにしつつも潔く単色で表したカラーリング、ストイックなまでに装飾性を排したデザイン……多機能であるのに、要素を削ぎ落とすことで生まれる“引き算の美学”を宿している。
こうした“引き算の美学”は、現代のリアルクローズの根底に流れている精神と共通するものだ。だからこそ、A.R.C.の端正なデザインはさまざまなスタイルと合わせやすく、服装を問わない。
2021年に登場した当初はブラックのみの展開だったが、2022年には新色のネイビーが登場。こちらもミニマルな魅力はそのままで、選択肢を広げている。
ライフスタイルを彩る4つのラインナップ
最後に改めて、A.R.C.シリーズを彩る全4モデルをご紹介する。
A.R.C. Daypack
同シリーズ内のバックパックとして最もコンパクトかつシンプルなモデル。ビジネスシーンはもちろん、より都会的でタウンユースに特化した無駄のないデザインが特徴。
オーガナイザー機能のあるフロントポケットやドリンクボトルも収納可能な伸縮ジップ付きサイドポケット、バックパネルのキャリーバー取り付けストラップなど、ノーマルなデイパックとは一線を画す多様なギミックを搭する。
A.R.C. Commuter Pack
ビジネスシーンにおけるすべてのコミューター(通勤者)にコミットする性能を搭載したバックパック。フロント上部にオーガナイザー機能を有するポケットを備えたほか、フロント下部に収納性に優れたジップポケット、トップに起毛裏地を設けたマグネットクロージャ付きシークレットポケットを設けるなど、収納性に特化している。
メインコンパートメントには衣類などをしっかりとホールドしてシワになりにくくするウェビングストラップがあり、1~2泊程度の出張ならこれひとつで対応できる。
A.R.C. Travel Pack
「A.R.C. Daypack」の約1.5倍となる、最大約34Lもの容量を誇るトラベル向けバックパック。ジップを開けることでマチ幅を約8cm拡張できるエクスパンション機能を有し、旅先で荷物が増えても安心。また、サイドコンプレッションベルトを閉めればマチをきつくでき、荷物が少ないときでも中身がぐらつきにくい。
メインコンパートメント入口は開閉しやすいバタフライオープンタイプで、宿泊場所で大きく広げることが可能。メッシュディバイダーも施され、大量の衣類などを整理しながら収納できる。ボトムパネルにはシューズコンパートメントを有し、メインコンパートメントと分けての収納も可能だ。
A.R.C. Tech Tote
小回りのきくコンパクトなサイズ感に加え、高い収納力と高性能を搭載した次世代型トート。スッキリとした縦型のシルエットで、表裏共通のシンプルデザインを採用した。
2本手ハンドルで手持ちできるほか、着脱可能なショルダーストラップも利用できる2WAY仕様。PC用ポケットのほか、ストレッチ性メッシュを使用したドリンクホルダーやスキミング防止用のセキュリティポケットも装備。前後に大型のポケットも備えている。
Incaseが出した最新の答えがここにある
果たして多くのユーザーから高い支持を得ることになった、Incase最新シリーズであるA.R.C.。そこにはブランドが積み上げてきたギミックや機能素材、さらにはデザイン哲学や時代に対する考えなどあらゆるものが凝縮されており、自信を持ってお届けできる製品だと断言できる。
今後の動きにもご注目いただきたい。