昨今、耳にするようになった「ミニマリスト」。ニューノーマル時代を迎えた今、改めて注目が集まっているライフスタイルだ。
そもそもミニマリストとは、「最小限の」という意味のミニマル(minimal)から派生した造語のこと。「最小限のことしかしない人」「最低限必要なものしか持たない人」を差している。常に物欲が刺激され、容易にモノを手に入れられる世の中だが、大して役に立たないモノにあふれた生活は逆に視界を狭め、無意識にストレスを溜めてしまいかねない。取捨選択し、本当に必要なモノだけを厳選することで“自分らしさ”を芯から理解できるようになる。コロナ禍という社会状況の変化も受け、そうしたミニマリストのスタイルを実践しようという人が増えている。
では、そんなミニマリストが愛用すべきバッグとはどのようなものなのか? 目指すべきスタイルを想定した上で、理想的なバッグを提案する。
ミニマリストがリュック・バックパック・トートバッグを購入する際のポイント
ほどよい容量を備えている
ミニマリストの基本は、所有するモノを厳選し、最小限に留めること。それはつまり、「TPOやファッションに応じてバッグの種類を変える」とは反対の、「どのような状況でもオールラウンドに活用できる」ことが望ましい。そのためには、まず容量を検討することが大切だ。
高さ(cm)×幅(cm)×マチ幅(cm)÷1000=容量(L)
バッグの容量は、上記のようにそのサイズから目安を計算できる(あくまで目安であり、実際の容量は前後する)。そのうえで、自分のスタイルにあった容量を選択しよう。
15L以下……かなりのコンパクトサイズ。持ち歩くモノまで徹底的に厳選でき、外出先で荷物が増えることがない/増えてもショッピングバッグを使う人向け。
20L前後……標準的なサイズ。仕事もプライベートもひとつで過ごしたい人にも向く。
30L以上……かなりの大容量。ちょっとした旅行やジム利用まで、これひとつで済ませたい人向け。
これからミニマリストのスタイルを実践しようという人は、まずは「バッグひとつで済ませる」ことを実現するため一定量以上のサイズを選び、持ち歩く荷物を厳選できるようになるにつれてコンパクトなモデルを視野に入れるのがいい。
機能的で無駄のない収納設計
「どのような状況でもオールラウンドに活用できる」のがミニマリストが希望するバッグの条件のひとつだが、実際、シーンによっては持ち歩く荷物はわかってくるものだ。ノートPCやビジネスツールを持ち歩くときもあるし、タブレットやドリンクボトルを入れて街へ遊びに行くときもある。ミニマリストはモノを最小限にするという手段によって「余計な手間や労力を掛けずにストレスなく過ごす」という目的の達成を目指すものだから、快適に過ごせないのは問題だ。
そのため、ミニマリストが持つべきバッグには機能的で無駄のない収納設計が求められる。必要なときにサッとすばやく取り出せて、必要な場所に収納できるポケットレイアウトを備えていること。適切で収まりのいいポケットサイズであること。実際に持ち歩く荷物を考慮した上で、自分にあったバッグを選びたい。
PC などデバイスも収納しやすい
いまやノートPCはビジネスのみならず、プライベートでも積極的に活用するデジタルデバイスだ。映像配信サイトを使って映画を視聴したり、テレビ電話を使って複数人とコミュニケーションをとったりと、日夜手放せない存在になっている。そもそも、紙やテープなどアナログだった記録媒体をデジタルデータに置き換え、ひとつのデバイスに集約したノートPCは、まさにミニマリストが目指しているスタイルそのものといっていい。ライフスタイルをシンプルにするためにも、あらゆるものをノートPCにまとめたという人も多いだろう。
当然、ミニマリストが持ち歩くバッグにもノートPCを収納できるスペースが必要だ。それも、万一にもダメージを与えて故障してしまうことがないよう、外部からの衝撃から保護できるクッションや、しっかりホールドできる構造を備えていることが望ましい。
出し入れしやすい開口部
ストレスのない日々を過ごすには、ちょっとした煩わしさをも徹底して排除することが重要だ。モノを減らすことで面倒事が増えてしまうのは、ミニマリストが目指す理想とは相容れない。モノを減らすのと同じように、生活から煩わしさを減らさなくては意味がない。
そこでバッグ選びにおいて留意したいのが、メインコンパートメントの開口部の作りだ。なんといってもバッグは荷物を運ぶための道具であり、何度も頻繁に出し入れすることになる。そのため、「サッと留め具を開け締めできる」「すぐに荷物にアクセスできる」ことが求められる。留め具がファスナーなら「少ない力で動かせる」「片手でもスムーズに操作できる」かどうか。また、開口部の大きさが一定程度あって荷物がつっかからないかどうか。出し入れのストレスの少なさは、そのまま使い勝手の良さにつながる。
タフで長く使える
いくら収納構造やサイズ感がよくても、すぐに駄目になってしまうようではいけない。「不必要なモノを捨てる」というミニマリストのスタイルは、大量生産・大量廃棄の経済行動を良しとしないサステナブルな考えともリンクしたものだ。質の良くないモノを避けるのは、これから目指すべき社会にふさわしい行動を示したものでもある。
そのためにも、バッグは長く愛用できるモノであることが望ましい。素材はタフであること。壁や街路樹にぶつかってもカンタンに破けない対引裂性や、年数が経っても耐久性を維持する素材であることが求められる。撥水加工が施されたものなら荷物を水から守るとともに汚れもつきにくい。また、信頼できるメーカーであれば縫製も確かだ。留め具が取れてしまったり、糸がほつれてしまったりといったトラブルも少ないはずだ。
ミニマリストにおすすめのリュック・バックパック・トートバッグ男女別3選
メンズ向け:ミニマリストにおすすめのリュック・バックパック・トートバッグ
Nylon Lite Backpack
サイズ:約H47 x W28 x D8cm
容量:約10.5L
過去の名品をベースに復刻した超軽量バックパック。必要な部分にはしっかりと芯地を入れつつ無駄を省いて軽量化を推進し、Incaseの中でもトップクラスの0.55kgという軽さを実現。バックパックの利便性はそのままに、負担感を最小化したいというミニマリストのニーズにマッチする。
素材には840デニールナイロンを使い、引き裂き強度に優れ経年変化も少ない。メインコンパートメント内はB4サイズに対応し、16インチのMacBook Proが入る起毛した裏地を有するテックコンパートメントや、小物が整理できるオーガナイザーポケットなど気が利くポイントを満載させた。
ICON Lite Pack
サイズ:約H51 x W30 x D15cm
容量:約22.9L
Incaseを象徴するICONシリーズの中でも、コンパクト設計を意識して作られたバックパック。
メインコンパートメン内には16インチまでのMacBookが収納できるテックコンパートメントが完備され、上質な起毛した素材とクッションパネルから傷や衝撃から保護。さらにモバイルフォンが収納可能なトップパネルのポケットや、小物などの収納に適した大き目のフロントパネルポケットを備え、充実の収納性能を備えながら無駄なく過ごしたい人にピッタリ。機能的なデザインも魅力的。
A.R.C. Tech Tote
サイズ:約H36 x W29 x D10cm
容量:約10.4L
小回りのきくコンパクトなサイズ感に加え、高い収納力と高性能を搭載したこれまでにない次世代型ショルダーバッグ。
メインコンパートメント内にはラップトップの収納に適した起毛した裏地のポケットのほか、ストレッチ性メッシュを使用したドリンクホルダーやスキミング防止用のセキュリティポケットを備えるなど、多様なギミックを搭載。また、メインファブリックには水や汚れに強い撥水加工を施したリサイクルポリエステルを使用。無駄のないデザインも特徴で、ビジネスシーンは勿論、タウンユースにも活用できる。
レディース向け:ミニマリストにおすすめのリュック・バックパック・トートバッグ
City Dot Backpack
サイズ:約H40 x W28 x D10cm
容量:約11.2L
軽量・コンパクトなことから、女性から圧倒的な支持を集め続けているバックパック。
A4サイズのメインコンパートメント内にはノートPCを包み込むように厚手のクッションを配置した360°プロテクション構造採用のテックコンパートメントを完備し、あらゆる方面からの衝撃に対応。複数のデバイスを同時に安全に持ち運べる。デザインはシンプルかつモダンで、幅広いテイストに合わせられるのも魅力。モノも自分のスタイルも大切にしたい、いまどきのシティライフにマッチする女性に最適。
City Market Tote With Cordura Nylon
サイズ:約H32 x W52 x D18cm
容量:約29.9L
容量が大きく使い勝手に長けたトートバッグは、何事もシンプルに済ませたいミニマリストの願いを叶えてくれるアイテム。
メインコンパートメントは約18センチの奥行があり、B4サイズ対応、16インチのMacBook Proが横向きにすっぽり入る大きさ。大きな開口部はジップ開閉式のため、持ち運びの際に中身が見えずに安心。優れた耐久性や耐水性を誇る500デニールコーデュラナイロンを採用し、ユニセックスで使えるシンプルでモダンなデザインもあって長く愛用できる。
Compass Tote With Flight Nylon
サイズ:約H40 x W30 x D12cm
容量:約14.4L
デイリーユースにぴったりなサイズ感のトートバッグ。生地には210デニールの細糸を高密度に織り上げたフライトナイロンを採用し、耐久性や耐摩耗性に優れながら軽量化も実現。さらには15インチMacBookを収納可能なテックコンパートメントやドリンクボトルホルダーなど豊富な収納も装備。持ち歩くことの負担感や使い勝手におけるストレスを低減し、ミニマリストなスタイルを追求できる。
記事まとめ
ニューノーマル時代を迎えて社会構造が大きく変わりつつある現在、モノの選び方も今一度見直す時期がきているのかもしれない。「ミニマリスト」は、あくまで一部の信奉者がいるライフスタイルとされているが、「本当にいいモノだけを厳選して使う」という考えは、もっと多くの人にも当てはまるものだ。理想的なバッグと巡り会えれば、日々の幸福度も高まるはずだ。